2023年のふりかえり
ちょっと早いですが、2023年を自分なりにふりかえってみました。
2023年は様々な節目の年でした。
大正12年(1923年)9月1日11時58分に、相模湾北西部を震源とするマグニチュード7.9と推定される関東大地震が発生して100年目となります。しかし、今から12年前に起きた東日本大震災での東電福島原発事故が被害をさらに拡大させ復興の足かせになったにも関わらず、福島第一原子力発電所の廃炉作業が進まず、廃炉最終形の議論も進んでいません。あの時、国民は30年後に原発の廃炉を選択していたことを国は忘れたのでしょうか。日本では、すべての原子力発電所(原発)が停止しましたが、それを乗り越える英知がありました。来る大災害に備えるためにも今こそ、未来につなぐエネルギーとして再生可能エネルギーへのシフトを進めるべきです。
ヨルダン川と地中海の間の土地について、その支配権をめぐるアラブ人とユダヤ人の紛争は、もう100年以上続いてきました。血にまみれたその長い歴史の中で、一つの教訓が得られています。つまりは、軍事的解決は絶対にありえないという教訓です。お互いの国家の共存を認めないのであれば和平案が復活するのはもはや何をもってしても不可能です。これは、ロシアのウクライナ侵攻から始まった戦争にも言えることです。
日本はイスラエルとパレスチナにおける人道危機への強いメッセージを送るべきですし、アメリカに対しても即時停戦への働きかけをすべきです。
東アジアにおいても緊張の渦中とは無縁の日本でも、対話による民際外交で国家間とは次元の違う世界平和の実現をめざすべきで、ローカルパーティーの役割でもあります。
沖縄に次ぐ第2の基地県である神奈川県もこの数年間で大きく変容しています。厚木基地から空母艦載機の岩国基地移駐が示されたのが10年前の2013年1月でした。実際に移駐が完了したのは2017年ですが、その後も米軍は「厚木は今後も重要な拠点」との発言を繰り返し、日米共同訓練の名のもとに基地の拡大利用を進めています。安保3文書(国家安全保障戦略等)が閣議決定されて以後、軍事基地ではない横浜ノースドッグに小型揚陸艇部隊が配備され、防衛省はオスプレイの低空飛行訓練高度を日本の航空法の規定の半分以下の200フィートまで承認しました。これらは、基地や施設を抱える自治体を飛び越えトップダウンで決定され、基地に起因する様々なリスクにおびえる市民にとっても容認できません。基地周辺の生活環境の保全及び安全確保のため、基地の機能縮小はもとより、国内基地の米軍との共同使用に反対します。
アメリカのブルームバーグ紙に掲載されたコラムが注目されています。翻訳すると……、「アメリカの貧困を自己責任にするな。日本を見よ、国民はみな真面目で勤勉で、薬物乱用や犯罪も少なく、シングルマザーも稀(まれ)なのに、貧困な人々がたくさんいるぞ!」。というものです。「貧困は社会が作り出している」というエビデンスとして日本が引き合いに出されたのです。政治が招いた貧困に日本人が一向に正面から向き合おうとしないリアルを、海の向こうからアメリカ人が突きつけた感があります。
生活の向上のため政治を道具として使う、今こそ、私たち市民の手に政治を取り戻す機運を高めていく時ではないでしょうか。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございます。H・K