やっぱりおかしい地方議員の厚生年金加入

 この8月、全国市議会議長会は、「厚生年金への地 方議員の加入について」というパンフレットを作成し、 全国の各市議会議員に配布しました。今年の議長会定 期総会で採択された「多様な人材の市議会への参画促 進に関する決議」の中に盛り込まれた「厚生年金制度 への地方議会議員の加入実現」を受けて作成されたも のです。これを配布することにより、この9月定例会 で各市の議会で意見書提出や採択をするよう求めてい ます。 パンフレットを見て非常に問題だと思ったのは、

 「新たに制度を設けて財政負担を強いるものではあ りません」と書かれていたことです。厚生年金制度 はご存知のように、年金掛け金と同額を事業主が 支払う制度です。議員は誰かと雇用関係を結んで いるわけではなく、(強いて言えば、市民とでしょ うか?)報酬は税金から支払われていますから、掛 け金の半額も税金から支払うことになります。その 額は、全国で年間170億円、医療保険分で110番億 円、合計で 280 億円と試算されています。しかも、 厚生年金は扶養家族も加入になります。一体どれほ どの税金が支払われることになるのでしょうか? 旧議員年金は、財政状況の悪化により 2011 年に廃 止されましたが、この制度による年金は払い続けら れており、今後 60 年にわたり総支出額は 1 兆 3600 億円と試算され、税金によりすべて支払われます。 新たな制度は、議員立法によるといわれていますが、 地方議員の後は国会議員も、という流れになるでしょ う。お手盛りの制度改正には断固反対します。