有機フッ素化合物の環境汚染

 沖縄に次ぐ第 2 の基地県である神奈川県。基地を抱える自治体の負担は騒音や事故の危険だけではありません。引地川流域における有機フッ素化合物(PFOS・ PFOA)の環境汚染も原因の特定はできていないものの、 米軍基地周辺の汚染が最も心配されると言われていま す。
PFOS汚染が広く世間に知られるようになったのは、 普天間基地の泡消火剤漏出事故です。PFOA は、2019年に国際条約で製造・使用が原則禁止されました。 PFOSはすでに2009年に使用禁止となっているにも関わらず、消防庁が実施した調査によると、PFOS等含有泡消火薬剤が、いまだに相当な量が保管されている状 況でした。昨年、環境省が全国 171 地点で水質調査を行い、1都2府10県の37地点で在日米軍基地や工業地帯の周辺の地下水などが広く汚染されている実態が浮き彫りになりました。引地川の山王橋地点の濃度は1リットル当たり 248.5ナノグラムと、目標値の約5倍もあったことが公表されています。 国の暫定的な目標値である1リットル当たり50ナノグラムを設定したことで、大和市も有機フッ素化 合物の環境汚染実態調査が義務付けられました。そこで、調査地点や市民への啓発について質し、災害用井 戸水以外にも飲料として利用している人には、危険性の周知がされたことを確認しました。水質調査地点も 当初1ヵ所とされていましたが、引地川流域には子どもたちが水と親しめるよう親水仕様になっている所もあり、調査地点を増やすよう求めたところ、泉の森のふれあい広場など 3 ヵ所を調査対象とするとの回答を得ることができました。今後、検出状況の把握や最新の科学的知見の収集が進められます。将来、汚染が確認された周辺の水質改善と土壌をどう回復していくのか、国にもその対策を求めるよう要望しました。