コロナ対策は安全性最優先で

 今回の文教市民経済常任委員会の補正予算案には、 文化創造拠点シリウス管理運営事業費として、新型コロナウイルス感染症対策としてシリウスの内壁面に抗ウイルス作用を有する保護シートの貼り付け工事請負費として 4,647万5 千円が補正計上されています。不特定多数の来館者があるシリウスでは、出入り口の非接触型体温計の検温システムや館内各所にアルコール除菌スポットを設置し、これまでも感染対策を講じてきました。
 今回の抗ウイルス作用を有する保護シートについて、効果等をメーカーや製造元に問い合わせたところ、 メーカーからは、「物質名は企業秘密だから教えられ ない。」「抗ウイルス作用については SIAA(抗菌製品技術協議会)の認可待ちで、承認には今後 3~6 か月を要する」とのことで、とても回答とは言えないものでした。医学博士で環境化学物質による人体・生体影響 研究が専門の木村 – 黒田純子さんに問い合わせたとこ ろ、このような抗ウイルスシートには酸化チタンによ る殺菌抗ウイルス作用があることを確認しましたが、 酸化チタンは国際癌研究機関 IACRでは、発がん性が 懸念されるランク2Bに指定されています。メーカーは含有物質を示していませんが、人に対して発がん性の可能性が有るとしたら、安全確認せずに使用することには賛成できません。
 今、新型コロナウイルスの新たな感染経路として挙がっているのがエアロゾル感染です。特に密室においては感染の確率が高まることが指摘されています。シリウスには構造上の問題で一部の窓の開閉ができるものの、換気が十分とは言えません。また、シリウス館内には常設の空気清浄機が設置されていないことも判 明しました。安全性の確認できない保護シートではな く、まずは空気清浄機の設置を進めるなど、換気ができないシリウスの構造を優先して改善すべきです。

 

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