資源回収…中古衣料のゆくえ
繊維リサイクルのナカノ株式会社・秦野工場をNPO団体の一員として見学しました。ナカノ(株)では横浜と秦野の2工場で1日10トンの中古衣料の選別・資源化を実施していて、年間では8,000トンになるとのこと。回収先は行政回収が95%、集団回収が5%のこと。行政回収は15県で実施していて、神奈川県は全域を網羅しているとのことでした。
中古衣料を価値ある資源として生かしていくためには、徹底的な種類分けによるということが、工場を見学して良くわかりました。秦野工場では素材にして16種位、全体では300種位にも分けているとのことでした。
繊維リサイクルの資源化の内容としては、①中古衣料(古着)としてマレーシア等の東南アジアへの輸出が全体の50%。②使い込んだ綿製品等のウエス(工場用清掃布)としての再利用が全体の20%、③残りの30%は再生原料(*反毛材料)となるとのことでした。
*反毛材料とは…繊維を機械でひっかき綿状に戻すこと。綿状のまま、ぬいぐるみなどの中綿に利用する。フェルトにして自動車の断熱材等にする。糸に紡いで軍手などの材料として利用することができる。
そして、資源化する3つの種別に分けて圧縮梱包し、倉庫部分に積み上げ、出荷待ちとなります。
アパレルの闇と言われたように、大量の衣類の廃棄が課題としてあります。最近は企業も中古衣料を回収するなどの動きがあるようですが、市民としてできることは、まずは衣類を大切に着ることだと思われます。そして着られなくなったものは、フリマアプリでも、NPOや企業の店頭でも、市の資源回収でも、身近なリユースできるルートに乗せることでゴミにしないことが大切だと感じました。(F.T)