横浜みなとみらいの対岸に日米共同使用の軍事基地    ~ピースリングツアー 横浜ノースドック編~

7月31日(水)、市民による人間の安全保障研究会主催の「ピースリングツアー・横浜ノースドック編」に参加しました。
ピースリングツアーとは、沖縄に次ぐ第2の基地県である神奈川県内の基地を巡りその実態を多くの参加者と共有し、基地の整理縮小を目指すことを目的に展開しています。
今回、陸路ではなく横浜港から横浜ノースドックを臨むツアーには33人の参加がありました。市民による基地監視団体「リムピース編集部」の星野潔さんのガイドのもと、オフィスビルや商業施設が立ち並ぶ横浜みなとみらい21地区から、1キロほど海を隔てた対岸にある軍事基地の状況を確認しました。

横浜ノースドックの歴史は古く、外国貿易設備を目的に瑞穂埠頭として横浜港第三期拡張工事の一環で1921年(大正10年)に造成が始まったということです。しかし、2年後に発生した関東大震災や、さらには、太平洋戦争の敗戦で運命は大きく転換し、大桟橋(サウスピア)、新港(センターピア)、山内、高島、瑞穂(ノースピア)といった埠頭と港湾施設の9割がアメリカを始めとした連合軍が接収、その管理運営下に置かれました。
その後、民間貿易再開の動きに合わせて接収が解除され大桟橋も日本に全面返還されましたが、瑞穂埠頭だけが日米安全保障条約に基づき、無期限でアメリカ軍が使用することが決まります。

横浜市神奈川区の一角、観光名所でもあるみなとみらい地区の対岸を海から臨むと横浜港のど真ん中に横浜スタジアム20個分の広大な一等地があり、アメリカ陸軍と陸上自衛隊が共同使用する軍事基地として存在していました。接岸されている窓が無いグレーの艦船は音響測定艦と言い、ライバル国の潜水艦のエンジンの音響データを入手する特殊任務船で横浜港を拠点としているとのことです。本日は確認できませんでしたが弾道ミサイル追跡艦も横浜港を拠点に活動しているようです。
周りのマンション群に住む市民の何人がこの事実を知っているのでしょうか。

2023年1月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)の合意により、揚陸艇部隊配備の合意が発表され、ノースドックでは新たに配備された小型揚陸艇部隊の運用も始まっています。実戦的な運用へと移行すると横浜が攻撃拠点になり得ることは十分に考えられます。

私の住む大和市でも横浜市同様、平和都市宣言をしていますが厚木基地の機能強化を止めることができずにいます。私たちが暮らす足元で進む軍事化について大いに考えさせられました。今後もピースリングツアーを通して基地の縮小、返還を訴えていきます。H・K