舘野鉄工所墜落事故60周年~市民慰霊の集い~

米海軍厚木基地(神奈川県綾瀬市、大和市)で離着陸訓練中の戦闘機クルセイダーが離陸直後にエンジンの故障により失速し、大和市上草柳の鉄工所に墜落した痛ましい事故から今年で60年を迎えました。今年も9月8日に市民による慰霊祭が行われ、参列させていただきました。

事故当時の記述には、米軍機は200mほど林や民家をなぎ倒しながら滑走した後、舘野鉄工所へ衝突、所内で使われていたアセチレンガスに引火し、爆発・炎上したとあります。衝撃及び火災により鉄工所従業員3名が即死、2名が入院後に死亡。一般市民3名が重軽傷を負い、鉄工所は全焼し周囲の住宅4棟が全壊した大事故でしたが、乗員は墜落前に機体を放棄、脱出して無事であったそうです。なんともむごい話ですが、事故の風化を止めようと事故から50年が経過した2014年から市民らでつくる実行委員会が慰霊碑を建てて慰霊祭を行っています。事故跡地は国有地となり、フェンスで囲まれてしまい普段は近くで花を手向けることもできません。この日は、慰霊碑の周りの下草を刈り、蔦も取り除かれ献花台が設置され30余名の市民が参列しました。

ご遺族やその縁者の方の心の拠り所として、一日も早く自由に慰霊できるよう願うとともに、相次ぐ軍用機の墜落事故や不時着事故が報じられる中、静かで安全な空を求めていこうと思いを新たにしました。 H・K