日本人ファーストというけれど

今回の参議員選挙の結果を受けて、外国につながるあの人は今、どんな気持ちでいるだろうと考えた人も多かったのではないでしょうか。近所に暮らすあの人、在日のあの人、あの子ども、酷暑の中工事現場で働いているあの人、人、人……。
もし自分が外国に住んでいて、その国で今回の選挙結果を目の当りにしたら……。 
恐怖を感じる人もいるはず。

受給者の3分の1が外国人と誤って広まっている生活保護のこと(実際は2.9%に過ぎません)
確かに憲法25条では「国民」は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と謳っています。現在日本では、外国人に対しては人道的見地から支給されています。
「私たちの税金を外国人に使うな」という論も聞かれます。

しかし、そもそも日本に住む外国籍の人は税金を払っています。収入があれば所得税を払い、住所のあるところには住民税を払い、買い物をすれば消費税を払っています。市民としてサービスが受けられないのはおかしいでしょう。
道に倒れている人を見て、「あなたは日本人ですか?」と尋ね、「いいえ」と答えたら、何もせず立ち去っていくのでしょうか。
日本をそんな国にしたいのでしょうか。

日本国憲法の前文は、次のような言葉で締めくくられています。

 われらは、平󠄁和を維持し、專制と隷從、壓迫󠄁と偏狹を地上から永遠󠄁に除去しようと努めてゐる國際社會において、名譽ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全󠄁世界の國民が、ひとしく恐󠄁怖と缺乏から免かれ、平󠄁和のうちに生存する權利を有することを確認󠄁する。
 われらは、いづれの國家も、自國のことのみに專念して他國を無視してはならないのであつて、政治道󠄁德の法則は、普遍󠄁的なものであり、この法則に從ふことは、自國の主權を維持し、他國と對等關係に立たうとする各國の責務であると信ずる。
 日本國民は、國家の名譽にかけ、全󠄁力をあげてこの崇高な理想と目的を達󠄁成󠄁することを誓ふ。

この憲法の理念をもう一度確認し、私たち一人ひとりが想像力を働かせて、すべての人の立場を考えていくことが今、何より求められると考えます。