生活困窮者の自立支援の取り組み

 NPO 法人ワーカーズ・コレク ティブ協会 ( 以 下協会)副理事 長で、「はたらっ く・ざま」代表の岡田百合子さんを講師に迎え、生活困窮者自立支援 制度に基づく活動について学習会を開きました。

 協会は、神奈川県の3つの自治体で就労準備支援事 業を受託しており、今回は、座間市と湯河原町の取り 組みが紹介されました。自治体により、生活困窮者を 取り巻く状況は大きく違います。座間市は引きこもり の若者中心に支援を行い、湯河原町は高齢の生活保護 受給者への相談中心の支援を行っています。

 座間市の支援、「はたらっく・ざま」では、2017 年 から現在まで、10 代~ 60 代前半まで約 50 人が利用し ています。引きこもりの期間が長い、働いたことはあ るが長続きしない、メンタル面が不安定、体力がない、 コミュニケーションが苦手など、社会での経験が乏し い人が多いのが特徴です。生活訓練講座は複数ありま すが、関心のあるものから無理せず参加してもらうよ うにし、プログラムの節目ごとに面談を行い、本人の 気持ちに寄り添い理解することに努め、楽しめる企画 なども行って、家から出る機会を増やしています。こ の制度を利用することにより相談者の自信回復につな がったと同時に、この3年で地域に理解と共感が広ま り、実習できる協力団体が増えました。これまで 12 人の就労に結びついています。

この3年間の活動で、利用者も多様化しニーズも変 化しています。居場所サロンを開始するなど新たな取 り組みも出てきています。地域の理解と協力関係の広 がりは、街づくりにつながります。各自治体に就労支 援準備事業が広がり、広域に連携ができるようになれ ば、少しずつ社会へ出ていける人が増え、地域は豊か になります。今後は、生活困窮者自立支援プロジェク トで各自治体状況の調査を皮切りに、取り組みが広が るよう政策提案をしていきます。