希望を失わないための気候危機対策

 10月24日、神奈川ネット主催の学習会に参加しました。講師は、気候ネットワークの平田仁子さんです。

今、地球は確実にスピードを上げて温暖化しています。過去5年間に地球温暖化が関連しているとみられる影響があった自治体(都道府県と政令市)は、約8割に上るとのことです。地球は工業化前から比較して平均気温が1度上昇しています。現在でも頻発する山火事やサンゴの死滅危機など、環境への影響は顕著ですが、1.5 度の上昇になるとその危機はもっと高まります。漁業の打撃、河川洪水、北極圏の氷の融解による海面上昇と沿岸洪 水の危険も高まります。2030 年に平均気温は 1.5 度上昇すると言われています。2015 年に採択されたパリ協 定では、今世紀後半までに世界の温室効果ガス排出をゼロにするのが目標です。しかし、気温 1.5 度上昇に抑えるには、2050 年までに排出ゼロにする必要があり ます。最大の温室効果ガス排出源は発電産業です。日本は、震災後、石炭火力発電所を増やし、今後も依存 する方針を示しています。横須賀市で、石炭火力発電 所の新設が進められていますが、火力発電も減らさね ければなりません。一方、原発事故で、今でも避難している人たちが苦境にあるこの中で、原発推進の声に頷くこともできまません。 学習会では、「世界では発想の転換、実践が始まっている」事実が示されました。太陽光などの自然エネルギー100%の発電は可能。太陽光発電はこの10年で、マイナス82%のコストダウンです。原子力を使うより、 石炭を燃やすより、低コストで発電できるとなれば、 企業も参入しやすくなります。今後、温暖化の加速を止めるためには、産業構造の転換は不可避です。ヨー ロッパでは、脱炭素と経済成長の両立を図るための成長戦略が始まっています。多くの人たちが、この危機的状況を知り、政治の問題として、国・自治体・市民 としてできることは何か、考え続けていくことからしか、変化は生まれません。気候変動を止めるための政 策提案を続けます。