知ることから始めるトブロツアー

 オンラインで行われた「かながわの朝鮮学校交流ツアー2022(」トブロツアー)に参加しました。このツアーの目的は、日本の市民が朝鮮学校について知り、子ど もたちと交流することによって理解を進め、平等な社会を作り出すことです。また、冒頭でトブロツアー共同代表の関田寛雄さんは「このツアーは将来への歴史を作っている。国ができないこと、やろうとしないことを民間のレベルで先手を打っていく。南北の統一のために日本社会の中で先手を打っていくことが目的」と話されました。

 第1部の講演会では、明治学院大学教授のチョン・ヨンファンさんから「朝鮮学校の歴史」を学びました。朝鮮学校の歴史は「皇民化政策」により、民族教育を行う朝鮮学校に廃止命令が出たり、朝鮮人も日本の学校に就学すべしと公立校の分校として位置づけられました。また、日本国民ではないので教育を受ける権利はないと分校が廃止になったり、自主的に学校を創っても正当な学校と位置付けられず、大学等の受験資格が得られなかったりと、日本の政策によりずっと翻弄され続けてきました。そして現在も高校無償化から外されるなど、「学校」としての権利を得られていません。コロナ禍では、困窮した大学生に対する学生支援緊急基金の対象から朝鮮大学は外されています。

第3部のグループディスカッションでは、このような差別がある現状に対し、高校生から、差別をなくすための横浜駅前での署名・街宣活動や文部科学省前での訴えの活動が紹介されました。街宣活動は心無い人にひどいことを言われるかもしれないという恐怖心と闘いながら参加しているとのことでした。高校生がこのような運動をせざるを得ない現状に、強い憤りと日本人として申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。参加者のひとりからは「今まで平和や人権を重んじていたつもりだったが、今日参加したことによって知らないことでマジョリティの暴力に加わっていたのではないかと思った」という意見も聞かれました。差別や偏見は、相手を知ることによって無くなっていきます。人と人との交わりを大切にするために、これからもトブロツアーに大ぜいの市民が参加し、理解が進むよう発信を続けます。