武力で平和は守れない
日本国際ボランティ アセンター(JVC)顧問 谷山博史さんの講演会 に参加しました。谷山 さんは、通算12年間を海外の現場で過ごしてきました。講演タイトルは、「軍事力中心の安全保障 の危険~アフガニスタン戦争、ウクライナ侵攻から考 える~」です。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、ウクライナの NATO加盟阻止を狙ったもので、国際法上許されるものではありません。谷山さんは、国際テロ組織アルカイダを匿っているとして侵攻したアフガニスタン 戦争と共通点があると指摘されました。アメリカにとっては、「9.11同時多発テロ」への報復であり、20 年近くに及んだ戦争では、双方に多くの犠牲者が生じ、 民間人にも多くの死者が出ました。 先日、報道番組に出演した元首相から「核シェアリング(共有)」という言葉が飛び出すなど、他国の侵略行為には核の抑止力が有効との主張がでてきたことは憂慮すべき事態です。日本の核武装は、非核三原則にも違反します。谷山さんは、ウクライナ侵攻報道 に見る危険なバイアスにも言及し、他国の侵略行為 をイメージづけ対中国の戦争が「つくられ」ようとし ていると警鐘を鳴らしています。琉球弧のミサイル基 地化や厚木基地でも増えてきた日米共同軍事訓練な ど、日本を巻き込もうとする動きには警戒が必要です。 4 月に起きた知床観光船沈没事故では、乗船者の可能性がある男女2人の遺体を国後島西岸で見つけたロシア人の自然保護活動家が「早く身元が判明し、家族のもとに帰してほしい」と連絡してきたとの報道がありました。海上保安庁の行方不明者の捜索は、北方領土の「壁」を越えて捜索が続いています。国の政治と民際交流は別ものです。
コロナで日本のNGOやNPOの海外支援の活動は思うようにできていない状況ですが、現在もJVCのメン バーが「武器を取って戦うこと以外の問題解決方法がある」とアフガニスタンなどの国々で活動しています。