廃食油は資源!市民に周知を

 日本では年間約240万トンの食用油が消費され、事業系で 40万トン、家庭系で 10 万トンの廃食油が発生すると言われています。事業系の5割程度が飼料用に再利用され、約3割がバイオ燃料として輸出され、廃棄されるのは1割程だそうです。日本の廃食油は、世界的には評価が高くリサイクルシステムが確立しており回収量が多く、ヨーロッパなどに輸出されています。 廃食油の需要の高まりで、当初は排出側が処理費を 支払っていましたが、回収業者が買い取るようになり、 3年前から価格が高騰し始め、1キロ 20円余りだったものが 現在、65円にも上昇しています。
 私はこれまで、「地域に眠るエネルギー資源」として廃食油を「都市油田」と位置づけ回収拠点を増やし、 有効利用を提案してきました。回収拠点については、 環境管理センターでも回収されるようになりましたが、2020年度事実績での廃食油の資源回収量は、5,974kgと 2018年の4,535kgよりも増えたとはいえ、横ばいです。海老名市では、2020年度の回収量は 54,130 kgと大和市の約10倍です。
 実は、一般家庭の家庭用廃食油は、約10%程度しか回収されておらず、残りの90%は凝固剤で固めて燃やすごみとして焼却されたり下水に流されていました。 食用油大さじ1杯を流すと、きれいにするにはバスタブ10杯分の水が必要です。凝固剤で固めれば流して捨てるより害は少ないものの、捨てるために新しい資源を使うことや、燃やす際に高温になり焼却炉を傷めることになります。何より、家畜の飼料やバイオ燃料、 せっけん原料等に活用されずに廃棄されるのは本当にもったいない!捨てればごみ、活かせば資源です。 そこで、来年度、2 年ぶりに更新される「家庭の資 源とごみの分け方・出し方」パンフレットに家庭からの廃食油は捨てずに資源として 活かせることをアピールするよう提案しました。