現状無視の訪問介護報酬のマイナス改訂

厚生労働省が1月22日に公表した次期介護報酬の改定案では、全体の改定率はプラス1.59%としながら、訪問介護、定期巡回サービス、夜間対応型訪問介護では基本報酬を引き下げる案が示されました。

大和市には市民がつくるたすけあいのまちを実践する「福祉コミュニティ・オプティマム福祉地域協議会大和」があります。このメンバーで家事支援や介護支援などヘルパー活動をする「NPO法人ワーカーズ・コレクティブ想」からも改定案にはがっかりしたという声を聞いています。事業所にとって基本報酬の減額は大きなダメージであり、ヘルパーのモチベーションにも影響すると言います。

厚労省は、「処遇改善加算を含めればプラス改定」と主張しますが、そもそも処遇改善加算は、準備や手続きの負担が増すばかりで、得られる報酬に見合うとはいえません。これまで頑張って処遇改善に取り組んできた事業所に対しても、さらに上位の加算は存在しないため、ただただ収入減で突き落とす暴挙です。

国は、できる限り住み慣れた地域で在宅を基本とした生活の継続を目指す地域包括ケアシステムの構築を謳いながら、地域に根差した在宅介護を支える訪問介護事業者の締め付け強化を行うのでしょうか。H・K